※この記事はサイバースデッキを中心に考察していますが、基本的な考え方はどのマキシマムデッキでも同じです。最後にダブルマキシマムが揃う確率にも触れておきます。
マキシマム召喚
レベル10の真ん中のパーツと左右の[L] [R]、合計3つのパーツを手札に揃えて行うのがマキシマム召喚ですよね。
僕はアニメ遊戯王SEVENSでネイル君が使う天帝龍樹ユグドラゴが大好きなので大会でも大体はユグドラゴ軸サイバースを使用しているのですが、かなりピーキーでキツイです。大体2回戦で負けます。すまねえユグドラゴ、俺が、俺が弱いばかりに……
まあ仕方ないですよね。普通のデッキと違ってマキシマム召喚に特化したデッキはマキシマム召喚できるまでクソ雑魚ですし、運が悪いとパーツがデッキの下の方に眠っていてもうどうしようもないとかザラです。
しかし! 最近サイバースデッキにも期待の新星(ニュービー)がやってきました。アトラシュート・ハイドロン君です。
これにより、ユグドラゴが揃うまではハイドロン使って粘るとか、逆にユグドラゴ突破された後でハイドロン使って巻き返すみたいな動き方が可能になりました。幻竜の場合はガントリードラゴン→ビルドドラゴンみたいな動き方をすることでマキシマムが揃うまでの隙を補うことができると思います。
マキシマム召喚ができる確率
ユグドラゴとハイドロン、二つの勝ち筋があるのは良いことなのですが、例えば『天の加護』などで手札のハイドロンを捨てたい場合があったり、他には『シードクロトロン・ブラッセルン』で墓地に落ちたユグドラゴパーツを回収するかハイドロンを回収するかで迷うことなどがあると思います。
こういった二つの戦略が考えられる場面でマキシマムパーツが揃う確率を考慮して自分の行動を選択することは非常に有意義だと言えますから、マキシマムパーツ3種類が揃う確率を調べてみたいと思います。
統計解析ソフトRを用いてモンテカルロ計算によりマキシマムパーツの『3種類目が存在する位置(確率)』を調べると、以下のようになりました。
累積確率は以下の通りです。
デッキの上からn枚目 | 累積確率 |
---|---|
3 | 0.002764 |
4 | 0.010212 |
5 | 0.023053 |
6 | 0.042244 |
7 | 0.067663 |
8 | 0.099404 |
9 | 0.136772 |
10 | 0.179053 |
11 | 0.225332 |
12 | 0.274372 |
13 | 0.325929 |
14 | 0.379198 |
15 | 0.432719 |
16 | 0.485926 |
17 | 0.538515 |
18 | 0.589217 |
19 | 0.637713 |
20 | 0.683814 |
21 | 0.726323 |
22 | 0.766382 |
23 | 0.802874 |
24 | 0.835776 |
25 | 0.865415 |
26 | 0.891724 |
27 | 0.914408 |
28 | 0.933760 |
29 | 0.950086 |
30 | 0.963655 |
31 | 0.974593 |
32 | 0.983073 |
33 | 0.989410 |
34 | 0.993935 |
35 | 0.996937 |
36 | 0.998770 |
37 | 0.999697 |
38 | 1.000000 |
図示するとこんな感じです
これを考えると、デッキの上から17枚目まででマキシマムパーツの3枚目を引き当てる確率が50%以上ですから、ここら辺を目標に掘り進めていけばよさそうですね。『七宝船』『天の加護』『強欲な壺』『天使の施し』などを積極的に採用したマキシマム召喚特化の構築なら、よほどひどい事故をしない限り2ターン目には15枚程度は掘り進められますから、何も考えずとにかく掘り進める方針でやっていけば2ターン目には40~50%程度の確率でマキシマム召喚できます。3ターン目にはさらに掘り進みますから、7,8割でマキシマム召喚できますね(そんなにドローだけやってて3ターン目まで生き残ってるのかは疑問ですが)。
更に、既にマキシマムパーツが2種類揃っている状況で次のドローが最後のパーツである確率は以下のようになっています(近似値です)。
現在デッキの上からn枚目 | 次のドローで揃う確率 |
---|---|
2~4枚 | 約8% |
5,6枚 | 約8.5% |
7枚 | 約9% |
8,9枚 | 約9.5% |
10,11枚 | 約10% |
12,13枚 | 約11% |
14枚 | 約11.5% |
15枚 | 12% |
16枚 | 12.5% |
17枚 | 約13% |
18枚 | 約13.5% |
19枚 | 約14.5% |
20枚 | 15% |
21枚 | 約15.5% |
22枚 | 約16.5% |
23枚 | 約17.5% |
24枚 | 約18.5% |
25枚 | 20% |
26枚 | 約21.5% |
27枚 | 約23% |
28枚 | 25% |
29枚 | 約27% |
30枚 | 約30% |
31枚 | 約33.5% |
32枚 | 約37% |
33枚 | 約42% |
34枚 | 50% |
35枚 | 60% |
36枚 | 75% |
37枚 | 100% |
グラフでプロットするとこんな感じですね
(正確な値は3/iを計算すれば良いです・i = 38 , … , 3)
10枚目以降は、毎ドローするたびに10%のガチャガチャを引き続ける感じでしょうか。
10%を"ワンチャンある"の分水嶺とすれば、10枚目程度まで掘り進んでいた状態でアトラシュートなどでどうにかするのが無理っぽい時に手札にあと最後のユグドラゴパーツが来ればなんとかなる……! という状況で奇跡のドローにかけるのは悪くない賭けかと思います。10%でなんとかなります。20枚まで掘り進んでおけば15%でなんとかなりますね。
逆に言えば90%程度で引けないので、「次のドローが最後のパーツだったら出せるんだけど、どうしよっかな~、アトラシュートにしようかな~」という状況では素直にアトラシュート出した方がいいですね。間違いないです。ハーディフェンス怖いなら棒立ちさせるとかの選択肢も考えられます。
期待値計算すると、上から17.3枚目にマキシマムの最後のパーツが眠っていることになり、これの標準偏差は6.9でしたので、ここから上下7枚程度の変動は割とよくあるということになりますね。サイバースと当たったときも、11枚目程度にはもうユグドラゴ飛んでくると思っておいた方が良いです。
パーツを一つ減らす
マキシマムを使っていると、事故率低減のために真ん中のパーツを2枚にしたくなる欲求に駆られます。この時、3枚が揃う確率がどの程度変動するかを確認してみましょう。
図だけ書いておきます。
平気は18.7枚目だったので、マキシマムパーツを1種類だけ2積みにすると、マキシマムが出るまでの枚数が平均して1.5枚程度遅くなることがわかります。平均だけ見ると大して変わりませんが、標準偏差を考えるとこれは7.3枚となり、安定性が低下していますね(そりゃそう)。アトラシュート軸で、ユグドラゴ出せそうなら出そうかな~程度のノリで構築を組むなら、ユグドラゴの真ん中は2枚だけで問題なさそうです。
ダブルマキシマム
マキシマムパーツを2種類、3枚ずつ突っ込んだダブルマキシマム構築に対して同様の計算をすると、以下のようになります。
平均13枚、標準偏差は5枚となり、遅くとも18枚目にはマキシマム召喚できることが分かります。
安定性も速度も格段に上がっているのがわかりますね。しかし、この値はあくまでもマキシマムパーツを全て手札で保存している場合に限りますので、現実にはダブルマキシマム構築の場合はどちらのマキシマムパーツを犠牲にするかの択が常に発生するので、この理論値ほどの速度ではマキシマム召喚できません。