1990年代以降、「証拠に基づいた政策・意思決定」(evidence based policy)が世界的な潮流となっています。証拠の中心を成すのが統計データであり、なかでも公的統計は中央・地方の行政が施策を企画立案する上で、また国民・企業などが合理的に意思決定する際に欠かせぬものです。学術研究においても広く利用されています。現代において、政府等によって作成される公的統計は社会の情報インフラとして位置付けられますが、そこから目的に沿って有効な情報を引き出し、活用できなければ宝の持ち腐れといえます。統計調査士検定は、公的統計に関する基本的な知識を正確に認識し、公的統計を適切に利用する能力を評価する検定試験です。
統計調査士に合格することは、統計の役割、統計法規、公的統計が作成される仕組み等に加えて、主要な公的統計データの利活用方法に関する正確な理解を証するものです。合格することで、
(ア)取得する過程で有用な知識を体系的に整理して獲得できる、
(イ)自信と誇りを持って統計調査業務に取り組める、
(ウ) 公的統計に係る知識と能力が客観的に評価される
ため、就業において、とりわけ民間調査機関で優先的に採用されやすくなる 等の効果が期待されます。
とのことです(統計検定公式サイトより)
というわけでね、このたび統計検定の統計調査士に合格したので、感想でも書こうかなと。
せっかく合格したので統計調査士試験が超絶難関試験で取るのがもう死ぬほど大変で友達に超自慢できる資格だと嘘をついてもいいんですけど、まあせっかくなんで本当のことを言おうかな。
今回受験したのはCBT方式と言って、好きな日程・好きな試験会場で受験申込をし、当日は会場にあるコンピュータを使って回答し、その場で即時合否を確認できる方式になります。CBT方式はこの記事を書いた時点(2020/9/16)では統計検定4級~2級と統計調査士試験のみが対応しており、統計検定の準1級・1級・専門統計調査士は年に1回の紙の試験でしか受けられません。近々、専門統計調査士はCBT方式が解禁されるそうです。専門統計調査士っていうのは統計調査士の強い版みたいな資格です。多分2級よりは難しいと思います。
・内容
統計学の検定試験ではなく、統計分析の検定試験って感じでしたね。統計学の内容はあまり出てこないです。公的統計の種類を答えさせたり、どういう調査法が使われてるのかとか、まあそんな感じの内容です。データの集計結果を分析・解釈させる問題も出てきます。問題は全て5択問題です。
・レベル感
統計検定2級に合格できる人ならちょっと勉強すれば合格できると思います。とくに社会科学系の学部(卒)の人はマジ一瞬で合格できると思います。めっちゃ簡単でした。
内容は実務的なものに偏っていて統計学はあまり関係なく、また公的統計について問う問題が多いので理系卒の人は少し苦戦するかもしれません。ジニ係数・GDPデフレータ・ラスパイレス指数みたいな用語を聞いたことすらないよっていう人には割と難しく映ると思います。まあ7割取れれば合格なので、2日も勉強すれば合格圏内に入るんじゃないでしょうか(統計検定2級程度の知識があるものとする)。
僕は一応経済学部の人間なのでそこらへんの知識は普通にあったため特に苦労しませんでした。しかも統計学専攻なので尚更ですね。統計学が好きだよって人は2級程度なら勉強せずとも合格できると思うので、むしろ統計調査士試験の方が難しいと感じるんじゃないでしょうか。僕は2級よりも難しいと思いました。一般的には統計調査士試験よりも統計検定2級の方が難しい扱いになると思います(そもそも測っている能力がだいぶ違うのでこの比較はナンセンスかも)。
・勉強内容と勉強時間
過去問を読みました。勉強時間は4時間です。まあ、そのくらいのレベル感です。
・受験手順(CBTの場合)
オデッセイIDを取得→ネットで好きな会場の好きな時刻に受験申請をする→メールか何かがくるので受験料を口座振り込み→振込を確認しましたメールがくる→指定した時刻に指定した会場にてパソコンを使って受験する→受験終了後速攻で結果がでる
追記[11/09]
試験後ちょうど4週間くらいで合格証と手帳が届きました。気長に待ちましょう。